WELCOME TO TAKEMOTO HONTEN HOMEPAGE!!

『大山』が動く!!
東北の酒らしい柔らかく淡麗な酒質で定評のある『大山』が
この冬から造り全般を見直し、さらに完成度を高めて新たに登場します。


1800ml 1800ml 1800ml 1800ml 1800ml
2027円 1890円 2625円 2730円 3108円


T.山形・庄内の酒『大山』を知る
<『大山』のある街>
ー米どころ・庄内ー


山形県の西部。弐市に日本海を臨む庄内地方は、北に鳥海山・東に出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)
南に朝日連峰を仰ぎます。
周囲を高い山々に囲まれた庄内は最上川や赤川など豊かな水に恵まれ、江戸時代から東北を代表する
米どころでした。酒田や鶴岡に今も残る大きな米蔵が、それを物語っています。庄内の米は、量だけでなく
質の点でも優れています。それは、明治時代以降、庄内の熱心な農家たちによって盛んに米の品種改良
が行われたからです。その代表格が、冷害に強いとされた「亀ノ尾」。「ササニシキ」「コシヒカリ」など現在
東日本で栽培されている米のほとんどが「亀ノ尾」の血を引いています。

ー酒どころ・鶴岡市大山町ー


冬、雪がシンシンと降り積もる鶴岡の町を唄ったのが名曲『雪の降る町を』であることは、よく知られて
います。(JR鶴岡駅前では、この曲のBGMが流れています。)
鶴岡市は、酒田市と並ぶ庄内米の集積地として発展した庄内西部の町です。
豊かな米と水、冬の寒冷な気候。鶴岡には、酒造りに理想的な条件が揃っています。江戸時代、鶴岡は
幕府の老中職を勤めた酒井氏の城下町でしたが、大山町は幕府直轄の天領であったため酒造りが盛んに
なり、「大山酒」は「庄内米」などとともに日本海航路の北前船で、北は松前(北海道)から西は山陰まで
運ばれました。
明治初期、数十軒もあったという蔵元の多くが大火で失われましたが、銘醸地としての地位は揺るがず
東北地方の酒造家の多くが「大山酒」を目標に、「大山酒」に学びました。(「天寿」の三代目も大山町で
修行したといいますし、秋田・山内杜氏の酒造りにも大山酒は大きな影響を与えています。)
灘や伏見のように太平洋側への物流が容易でなかった「大山酒」は、やがて徐々に衰退し、現在4社の
蔵元を残すのみとなりました。しかし「東北の小灘」と称された誇りと品質へのこだわりは、脈々と
受け継がれています。

<<東北一の酒どころを酒名にした『大山』>>

『大山』の蔵元・加藤家は、豊臣恩顧の大名・加藤清正の流れを汲む名家です。
江戸初期、成立間もない幕府にとって、加藤氏など有力な外様大名は邪魔な存在でした。そのため清正
の死後、跡を継いだ加藤忠弘は、徳川三代将軍職争い(徳川家光と忠長の兄弟喧嘩)に関係したとして
領地を没収され、鶴岡の酒井家預けとなりました。やがて、その子孫のなかから、武士を捨て造り酒屋と
なる人があらわれ、分家を重ねて行きました。そのため、かつて大山町には、加藤姓を名乗る蔵元が
いくつもあったといいます。そのひとつが『大山』の蔵元なのです。
『大山』は、歴史と伝統のある銘醸地の名を酒名にした誇り高い酒なのです。

<<『大山』の造り>>
ー機械造りと手造りー


『大山』の酒造りは、一口でいうと"製造原価を下げるための機械化ではなく、品質を上げるための機械化"
で行われています。一般的に機械で造るより、手造りがよい酒ができると思われがちですが、手造りと
いっても、技術がともなわなかったり、手抜きがあったり、ミスがあったりすれば、決して良い酒になるはずが
ありません。人にできて機械にできないことは、たしかにあります。反対に、人にできなくても機械ならできる
こともあります
。たとえば、麹造りの温度や湿度の管理、酒母モロミの温度管理などがそうです。
たとえ蔵人の麹屋さんでも24時間付きっきりというわけにはいきません。人には眠る時間も、食事する時間も
必要です。しかし、麹菌や酵母菌は、常に活動し続けているわけです。機械なら故障しない限り、常に麹や
酒母やモロミの状態を監視し続け、必要な操作をすることができます。それも人がするよりも正確に・・・・。
ただし、機械にどのような条件でどのような操作をさせるかは、人の判断が必要です。『大山』の機械化の
思想は、「よい酒は、麹菌や酵母菌などの微生物に快適な環境を与えてこそできるのである。微生物の
微妙な息遣いを感じ取り、対応する。つまり、微生物と人が"対話"するための道具が機械である。そのため
には人よりきかいの方が優れていることは機械に任せたほうがいい。」
ということです。現に。現在大吟醸の
多くが、温度管理のできるサーマルタンクで造られていることを考えれば、解り易いはずです。『大山』は、
6トン仕込みという大仕込みによる大吟醸で、平成2年と平成5年に前代未聞の全国鑑評会金賞受賞を
成し遂げています。

ー『大山』の開発した「K.O.Sシステム」』ー

『大山』の醸造システムは、一般に「K.O.S」と呼ばれています。
昭和48年、『大山』の加藤社長の発案で、完璧な温度管理のできるタンクができました。このタンクは、、発案
と基本設計をした『大山』の"O"と、実際に図面を引き製作にあたった醸造機械メーカー「佐々木貞治商店」の
"S"から「O.Sタンク」と呼ばれています。
昭和53年、加藤工場長(加藤社長の義弟)の発案で、温度と湿度をコントロールできて、人力に頼らずに麹を
造れる自動製麹機が完成しました。この製麹機の機能的な基本特許は、製麹機メーカーとして有名な
「ハクヨー」が所有していたため、ハクヨー木谷社長の"K"を加えて「K.O.S製麹機」と呼ばれています。
このタンクと製麹機は、見えないところも最高級のステンレスがふんだんに使われ、いつでも水洗いが可能で
微生物敵に清潔な状態を維持しつつ、50年、100年単位で使いこなすことを前提にしています。もっとも重要な
温度制御は、0.2℃単位という精密さでコントロールされています。
『大山』の製麹機の制御盤には「揺藍」(「ゆりかご」の意味)と書かれています。この言葉に、蔵元の酒造りに
対する思いが込められているようです。
このシステムの優勝さは、地方の有力蔵元が近年相次いで導入していることからも実証されています。
(現在「浦霞」矢本蔵・「白瀧」・「蓬菜泉」・「春鹿」他多数が導入しています。)

◆O.Sタンク

タンクの上下3箇所に温度センサーがあり、常に温度を監視します。また、タンク内には、モロミの温度や成分
を均一化することと、炭酸ガスを追い出して酸素を補給するため「櫂入れ」をする攪拌機(巨大な鉈状の
プロペラ)がついています。しかも、その攪拌機の羽根の断面は、クサビ形でモロミを攪拌する時は、米粒を
潰さないよう尖った方に回転させ、貯蔵酒に加水して攪拌する時には反転させ、抵抗の多い平たい方に回転
させるようになっています。又、攪拌のムラを防ぐためタクンの底は半球状になっています。タンクと攪拌機の
羽根の隙間は、わずか5mm。完璧に混ぜ合わせることができるわけです。当然のことですが、タンクの周囲と
攪拌機の羽根の中までも冷温水が通っていますので、短時間で目的の温度操作ができるわけです。

◆K.O.S製麹機

製麹機は、前半の「床」の期間と後半の「盛り」の期間の2つに分かれています。もちろん、ほとんどが
ステンレス製で、全体に温水が流れ、何箇所にも配置された温度センサーで麹を監視し、温度のバラツキが
ないようになっています。また、温度センサーが製麹機内の温度を常に監視して、湿度が高い場合は乾燥した
熱風を送り、乾燥気味の時には水蒸気を含んだ熱風が送り込まれます。途中の「切返し」や「仲仕事」
「仕舞仕事」もすべて機械的に行われるため、外部から雑菌の侵入することがなく、麹菌の純粋培養が
可能なわけです。ただし。一連の操作の制御は、人が設定しておくことになります。そのためには、、原料米
の質を見極め、蒸米の状態に合わせた設定をする必要があり、手造りと何ら変わることはありません。だから
こそ、この機械での酒造りでは、酒質を今後も進化発展させていくことが可能なわけです。

U.『大山』どう変わったか
<<原料処理の改善>>


日本酒の「原料処理」とは、「精米」から「洗米」「浸漬」「蒸し」までの工程をいいます。精米歩合が70%程度の
米の場合、洗米の後の浸漬は、水に浸けっぱなしでもかまいませんが、65%以下まで精米した米は、長時間
の精米による摩擦熱で水分を失い、乾ききっています。そんな米を水に浸けると米は、精米中に失った水分の
3倍の水を吸い込んでしまい、結果として水分過多の蒸米になってしまいます。これでは、よい麹ができない
うえ酒質も悪くなります。そこで、大吟醸などは、ごく少量ずつ時間を計りながら洗米と吸水を行う「限定吸水法」
が用いられるわけです。
大吟醸などは一般的に700キログラム程度の小仕込みですから、手洗いでもできますが、2トン3トンとなると
不可能です。まして、『大山』のように6トン仕込みではなおさらです。そこで『大山』では従来、洗米した米を500
キログラムづつ幾つかの浸漬タンクに小分けたうえで、限定吸水を行っていましたが、ひとつの浸漬タンクの中
でも底の米は、水分と接する時間が永いため水分過多になり、逆に上部の米は水分不足になっていました。
そこで『大山』では、今年から洗米の終わった米の表面についた余分な水分を一旦吸引機で空気と一緒に
吸い取った後、米を浸漬タンクに送り、あらためて浸漬するようにしました。
これによって、米の吸水率のバラツキが少なくなり、良好な蒸米ができるようになりました。


<<製麹機の湿度調節機能の強化>>

「一麹・二もと・三造り」といわれるように、日本酒造りにおいて麹は一番大切なものです。日本酒の香りは
、麹と酵母の共同作業によって形成されますが、味わいはほとんど麹だけが造ります。つまり、日本酒の酒質
は、麹で決まるといえるのです。
『大山』のように、よく精米した米で低温発酵させる吟醸タイプの酒を造るためには、麹菌の菌糸が米粒の表面
ではなく、内部にクサビのように深く食い込み、糖化力に優れ、タンパク質をあまり分解しない、いわゆる
「突き破精麹」(吟醸麹のこと)の作り方は、やや水分が多めでもふっくらとして、米の芯まで柔らかくなった蒸米
に、ごく少量の種麹をまんべんなく付けて、前半の「床」の期間に麹菌の繁殖を十分促し、後半の「盛り」の期間
で麹を乾燥させながら温度をあげてゆく方法が主流になりつつあります。この方法では、香りもよく淡麗で
ありながら味に幅とふくらみがあり、上品な旨みを持った酒ができるようです。
このような麹を造るためには、麹米の湿度管理が最大のポイントです。水分を保ちたい時には乾燥しないよう
麹室の湿度を上げ、乾燥させたい時には麹室の湿度を下げる必要があります。それも短時間で。
そのために『大山』の製麹機は、空間率を少なくして迅速な湿度管理ができるように設計されています。
昨年の秋『大山』は、製麹機の湿度をコントロールするための乾燥熱風を造る部分を従来の2.7倍に強化して
今までより、短時間での乾燥・加湿が自由にできるように改造しました。これによって、従来より優れた麹が
できるようになったわけです。


<<気になる味わいは・・・>>

以上のことから今年の『大山』の酒質を予想すると、
@吟醸香が高くなり、香りのよい酒になる
A雑味成分が少なく、よりスッキリとした透明感のある味になる
B味を濁らせる成分が少ないため、しっかりした輪郭の味になる
C味に幅とふくらみがある酒になる
D旨みのある味になる
Eキレが良くなる


熊毛町商工会のホームページ
http://agicsv01.joho-yamaguchi.or.jp/kumages/

メールは,
takemoto-a@gold.ocn.ne.jpまで